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堆積砂を下流の海岸へ供給することも可能である。
暴風海浜時シーステム前面の前浜も侵食されるが、波の作用により砂は浮遊状態で海浜近くにあり、暴風終了時に増加して戻ってくる。
4. 茅ケ崎中海岸BMS
(BMS atChigasaki Naka Beach)
4−1 目的
システムの効果検証およびシステムの構築。
4−2 試験場所
神奈川県茅ヶ崎市中海岸地区で、最も侵食を受けている場所を選定した。集水延長は、突堤と突堤の間とした。
4− 3システム構成
(1)集水管
ポリプロピレン透水管(φ300mm 二本並列)を使用。L=180m
(2)導水管
VU管(φ350mm 二本並列)を使用。L=33.5mフィルター層の効果検証のため、導水管にバルブを配置。
(3)ポンプステーション
PCウェル(φ3.5m 2.5m×6)h:15m
(4)ポンプ
水中斜流渦巻きポンプ
(口径250mm全揚程16m吐出量8.33m3/min)2台
(5)放水管
VP管(φ300mm)L・600m
4−4 集水管埋設工事
集水管の埋設は、汀線に近い範囲で行うため、仮締切に矢板等を配置する方法がある。

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Fig.6 施設配置図(Facility location)

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Fig.7 施設断面(Faclilty cross section)

しかし、波浪状態が静かな日が少ないことや、施工の難易性が問題となる。
そこで、後期の短縮と施工の容易性を目標とし、トレンチャータイプの掘削機を用意し、汀線際の施工方法のシステム化を計るため専用掘削機の試験を実施した。
トレンチャータイプ専用掘削機
トレンチャータイプ専用掘削機は海岸侵食防止を目的としたBMS工法に適用するように開発された連続式の清堀掘削専用機械である。
動力は、全てディーゼルエンジンによる油圧により供給され、油圧仕切弁にて操作する。
六機は、チェーン式のカッタ装置を装備し、砂浜に深さ2.0m、幅1.0mの溝を連続的に掘削すると同時に、掘削された土砂を排出し、ベルトコンベヤにより本体側方へ排出する。
さらに、掘削された清内に土留ボックスを牽引し、掘削と同時にフレキシブルホースを敷設する構造である。
すなわち、掘削・土砂排出・土留・集水管敷設を連続的に施工することを可能にしたことで、作業能率を大幅に改善した。

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Fig.8 専用堀削機写真(Trencher−type excavator)

 

 

 

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